経営者が死にたくなるほど苦しいときどうすれば良いか?

経営者というのは、ストレスやプレッシャーの掛かりやすい立場です。

時には死にたくなることもあります。常にそう思っているという経営者もいるかもしれません。

「死にたい」という言葉は、私のクライアントからも時々聞くことがあります。

会社の業績だけではなく、人間関係やプライベートの出来事が原因となっていることもあります。

そんなとき経営者は何をすれば良いでしょうか?

そして何をしてはいけないのでしょうか?

カウンセリングもできる医師に相談する

死にたくなるほど苦しいと感じている時は、うつ病等の何らかの精神疾患の兆候であることが多いです。

経営者に限った話ではありませんが、このような状態になったら、カウンセリングもやっている精神科や心療内科に行ったほうが良いでしょう。

カウンセリングにも力を入れていることがポイントです。

心の問題を改善する方法は大まかに2つです。投薬かカウンセリング等の心理療法です。

これはその状況に応じて、最適なものを選択する必要があります。組み合わせることもあります。

しかし、中には投薬しかしない医師もいます。そのほうが楽ですし時間も掛からないので、何人もの患者を捌けるからです。

しかし、薬の中には依存性の強いものもあります。「麻薬及び向精神薬取締法」という法律で、麻薬と同様に扱っていることからも分かると思います。

薬を飲むほどの状態ではなかったのに、薬を飲んだことで、それがなければダメな状態になってしまうこともあるのです。

もちろん薬でなければダメなケースも多いですが、その判断をしっかりとしてくれる医師に相談するのが安全です。

軽めのストレスなら生活リズムを見直して改善することもある

死にたくなるほどではないし、病院に行くほどでもないけれど、ストレスが増えているというケースもあると思います。

こういった場合、生活のリズムが崩れていることが多いです。

人間は朝に太陽の光を浴びることで、セロトニンなどの神経伝達物質が分泌され、心が安定します。

また、太陽光によって眠気を生じさせるメラトニンの分泌を抑制することで、体内時計を整えています。

逆に夜に強い光を浴びると、分泌されたメラトニンが抑えられてしまうので、眠れなくなります。

職場で強い照明を使っている場合など、夜遅くまで仕事をしていると眠れなくなるということです。

コンビニの照明も強いので「眠れないからコンビニでも行ってこよう」というのは逆効果となります。

軽めのストレス状態であれば、生活のリズムを見直してみると改善することもあるのです。

悩んでいるときにネットを見るのは逆効果

悩んでいるときはネットで色々な情報を調べがちですが、このような行為はメンタルに悪影響を及ぼす可能性が高いです。

まず、ネット上の情報というのはけっこう間違っています。

先ほど睡眠とメラトニンについて説明しましたが、これに関して、少し前に某有名経済雑誌のサイトに完全に間違った記事が掲載されていました。

特に医療や心理学に関する記事は、とっくに否定されている効果が書かれていることも多いので要注意です。

仮に正しい内容だったとしても、それがあなたに合うかは不明なのです。

たとえば、運動をするとメンタルに良いと言われますが、うつ状態のときは体力を消耗することで、余計に悪化する可能性もあります。

なのでこの記事も含めてあまり真に受けてはいけません。専門家(医師)に相談するのが最も安全です。

「Doom-Scrolling」はメンタルに悪影響を及ぼす

スティーブ・ジョブズが、自分の子供にiPhoneを使わせなかったという逸話があります。

ジョブズに限ったことではありませんが、シリコンバレーのIT起業家が子供にスマホを使わせたがらないのは自然なことです。

脳に悪影響を及ぼすことをよく知っているからです。

落ち込んでいるときに、SNSや掲示板を見続けるのは最悪な行動といえます。たいていネガティブな情報ばかり見てしまうからです。

不安なときに、スマホでネガティブな情報を延々と見続けてしまうことを「Doom-Scrolling」といいます。(「Doom」は「破滅」という意味)

「Doom-Scrolling」はメンタルに悪影響を及ぼすことが、研究からも分かっています。

余談ですがSNS広告で消費者が不要なものまで買ってしまうのは、投稿をスクロールし続けることで脳に負荷がかかり、判断力を奪われるからです。

そもそもスマホというのは使っていなくとも、視界に入っただけで気を散らすことが研究で分かっています。

職場の机の上に出しっぱなしにしたり、寝るときに枕の横に置くのも本来であればやめたほうが良いのです。ブルーライトを浴びたマウスが、うつのような状態になったという実験結果もあります。

どうしてもスマホに触れてしまうという人は、タイムロッキングコンテナなどに入れて強制的に使えないようにするのもオススメです。

スマホと距離を置くだけでも、メンタルが改善されることはあります。

経営者が弱みを見せた会社のほうが上手くいく

社員の前で弱みを見せてはいけない、と思っている経営者は少なくありません。

親分肌だったり、使命感の強いタイプの経営者に多いかもしれません。

しかし、社員には弱みを見せたほうが良いでしょう。

リスボン大学のアナ・パトリシア・ドゥアルテらの研究によれば、経営者をはじめとし、リーダーが心をさらけ出したほうが社員の組織へのコミットメントが高まることが分かっています。

リーダーが弱みも含め、本当の自分を出していると感じた社員は会社を信頼し、一生懸命に仕事をするようになるのです。それによってパフォーマンスも上がります。

また、弱みを見せたからといって、能力が低いと評価されることもないと分かっています。

自分ひとりで抱え込まずに、せめて幹部にだけでも悩みや苦しみを打ち明けてみてはどうでしょうか?

絶対に相談してはいけない相手

心の苦しみを解決しますという「〇〇カウンセラー」「〇〇セラピスト」のような人間に相談するのも、やめたほうが良いでしょう。

恋愛の悩みのような、精神疾患と関係のない事柄であれば、そういった人間に相談しても問題はありません。

しかし、死にたくなるほどの心の悩みを、そういった人に相談するのは危険過ぎます。

なぜなら、知識がなさすぎるからです。彼らのブログなどを見れば分かりますが、『小学生でも分かる心理学』のような薄っぺらい本でしか学んでいないのがバレバレです。

精神医学や臨床心理学というのは常に変わります。過去に正しいとされていたことが、実は間違いだったということもあります。

そういった情報は、最新の研究論文や学会の情報にキャッチアップしていなければ分かりません。日本語で発表されることも少ないです。

カウンセリングを受けるのなら、精神科もしくはそこから紹介された、臨床心理学の大学院で専門的に学んだ「臨床心理士」や「公認心理師」を選ぶべきです。

経営コンサルタントやコーチングの専門家などに相談するのもオススメしません。

死にたくなるほどメンタルを病んだ状態の経営者というのは、カモがネギを背負って歩いているようなものなのです。

占い師に相談するなどは論外です。お金だけ取られて終わりです。

死にたいほど苦しいのなら、相談するべきはカウンセリングという選択肢も持っている医師なのです。

社員が露頭に迷うことはない

データによっても差はありますが、5人に1人は一生のうちに1度は何らかの心の病にかかるといわれています。ですから珍しいことではないのです。

特に経営者のような、プレッシャーのかかるポジションにいれば、その可能性は高くなります。

これは決して自分が弱いからではありません。むしろ強いからこそ、すべてを自分が抱えてやるという気持ちになって、脳が限界を超えてしまうとさえいえます。

経営者だからと会社に命まで懸ける必要はありません。

清算したってM&Aで売却したって良いのです。

世の中に会社は400万社以上あるのですから、社員が露頭に迷うこともありません。

というよりも、社員が「会社危ないかも」と考えて自分の意思で辞めた場合には、すぐに失業保険を貰うことはできませんが、会社が潰れた場合であれば社員はすぐに失業保険を貰うことができます。

会社を中途半端に延命するより、潰したほうが社員のためになることもあります。

日本は社会保障も充実した国なのですから、あなたがすべてを背負う必要はありません。

著者プロフィール
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カネコユウスケ
マーケター / 経営コンサルタント
大手企業とスタートアップで業務部門やコンサルティングに従事した後、独立。現在はデジタルマーケティング、ウェブサイト・動画などによるオウンドメディア制作等を手掛ける。
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