ブランディングのストーリーとは何か?想いだけでもストーリーになる
ブランディングにおけるストーリーとは、企業や商品が「何者であるか」を伝える物語です。
これにはビジョンや価値観、顧客に対する姿勢を伝えるメッセージが含まれています。
ストーリーは、興味・関心を惹きつける真実味のあるものでなければなりませんが、有名経営者のような激動のエピソードが必要なわけではありません。
ブランドのコンセプトを体現した行動や考えは、すべてストーリーの元となります。
たとえば、ディズニーランドで掃除をしているキャストに「何してるんですか?」と聞いたら「夢のかけらを集めています」と答えてくれた、という有名なエピソードがあります。
これは「ディズニーの仕事は、遊園地を運営することではなく、人々に夢と魔法を届けることであり、その使命をすべてのキャストが担っている」というブランドコンセプトを伝えるストーリーといえます。
ストーリーは日常の企業活動の中に存在しているのです。なければ行動を起こしたり、リブランディングによって創出することも可能です。
ブランドコンセプトを訴求するために開催したイベントそのものもストーリーといえます。
創業時やリニューアル時に、胸にした想いもストーリーになります。
ブランドにストーリーが必須の理由選択に意味をもたらす
なぜブランドにストーリーが必要なのでしょうか?
それは、人間が感情で判断する動物だからです。
人間は論理的に決断しているように見えても、無意識のうちに「好き・嫌い」の感情の影響を受けています。
なぜなら感情は生存本能に働きかけるシグナルであるため、行動に結びつきやすいものだからです。
そして、事実の羅列よりもストーリーのほうが、人の心が動きやすいことが、心理学をはじめとした幅広い研究で示されています。
たとえば、腕時計を売るとき「スペックの高さ」という事実を伝えるよりも、「人類初のエベレスト登頂に成功した登山家がつけていた」というストーリーを伝えるほうが売れるのです。
ストーリーを知ることで、その商品を選ぶことが「私は冒険心に溢れた人間である」という自己表現となるからです。
このように、ストーリーは顧客の選択に意味を与え、価格やスペックによる競争を無効化するものなのです。
同じような商品やサービスが溢れる今の時代は、選択に意味を与えられるブランドでなければ差別化できず、生き残ることも難しくなります。
つまり、ブランディングにおいてストーリーは必須の要素となっているのです。
ストーリーは組織を変革する
経営者が企業理念やビジョンを繰り返し訴えても、社員に浸透しないことがよくあります。
なぜなら、社員にとってそれらは単なる建前や綺麗ごとでしかないからです。
具体的にどのような行動に落とし込めば良いか分からないのです。
企業理念やビジョンを浸透させるには、それを体現したストーリーを共有しなければなりません。
たとえば「お客様に非日常の感動を」という理念を策定しているなら、お客様の誕生日にサプライズをして喜ばれたストーリーを共有するのです。
こうしたストーリーに触れ続けることで、社員は日頃から「お客様のためにできることはないか?」という視点を持つようになります。
それだけではなく、そこで働くことに誇りを持てるようになります。
また、外部にストーリーを発信することで、そこで働きたいという人も増え、採用もしやすくなるのです。
ストーリーによるブランディングとは、組織を変革することでもあるのです。
ブランディングのコンサルティング案内
コンサルティングサービス
- コーポレートブランディング企業の理念や強みを明確にし、一貫した企業イメージと信頼を構築します。
- 商品・サービスのブランディングその商品・サービスならではの価値を整理し、選ばれる理由をわかりやすく設計します。
- インナーブランディング企業理念やブランドの価値観を社内に浸透させ、社員の意識と行動につなげます。
- 採用ブランディング企業の魅力や働く価値を明確に伝え、自社に合う人材との出会いを生み出します。
コンサルティングの流れ
1. 戦略・ブランドコンセプト設計
自社の強みや独自性、顧客のニーズ、競合のポジショニングなどを多角的に分析し、ブランドが目指すべき方向性を明確にします。そのうえで、「誰に、どのような価値を、どのような存在として届けるのか」を整理し、ブランド戦略とコンセプトを設計します。
2. ストーリーのデザイン
企業や商品・サービスが持つ背景、創業の想い、ビジョン、価値観、顧客とのエピソードなどから、ブランドらしさを象徴するストーリーを発掘・創出します。単なる情報ではなく、共感や記憶につながる物語として構成し、ブランドの魅力を伝わりやすくします。
3. ブランドコミュニケーション・発信
Webサイト、SNS、広告、営業活動、店舗、イベントなど、ブランドと顧客が出会うタッチポイントを整理・検証します。それぞれの接点に適した表現や発信方法を設計し、一貫性のあるストーリーを継続的に届けることで、ブランドへの理解や共感を育てます。
FAQ – よくある質問
- 中小企業やスタートアップもブランディングは必要か?
- はい。ブランディングというと大企業やファッション業界だけが行うものというイメージかもしれません。しかし、中小企業やスタートアップにもブランディングは必要です。ストーリーを届け、差別化されたオンリーワンの存在になることで、競争を無効化し、リソース不足という弱みを克服できます。
- BtoBビジネスでもブランディングは必要か?
- はい。BtoBでは営業が接触する前段階から、顧客は検討と選別を始めています。そのため「この領域ならこの会社」という連想につながるブランディングがなされていない会社は、候補にすら入れてもらえません。ブランド力のある会社は価格交渉も有利に進めることができます。また、ブランディングには顧客の選択に意味を与えるだけでなく、従業員に働く意味や誇りを与える効果もあります。組織を強くするためにもブランディングは有効なのです。
- 新規事業の立ち上げ段階から相談できるか?
- はい。事業のコンセプトや提供価値、ターゲット、競合との差別化を整理しながら、「誰に、どんな価値を、どのように伝えるブランドにするか」を設計します。まだ事業内容が完全に固まっていない段階でも問題ありません。むしろ初期段階からブランドの視点を取り入れることで、事業戦略と発信のズレを防ぎ、選ばれる理由を明確にしやすくなります。
