「最近の新入社員は~」というセリフは、何十年も前から繰り返されてきたと思います。
この言葉が発せられる要因は、世代間の「価値観の違い」によるものでした。
しかし、今の時代はそれだけではなく、脳の構造の違いによる部分もあるのではないかと思います。
実際に頭がおかしいのでは?というような新入社員に困っているケースもあると思います。
軽く注意しただけで、会社に来なくなってしまったり、泣いたり、逆ギレしたり…
遅刻をしても、悪いことをしているという認識がなかったり…
このような行動を取ってしまう原因は、成長段階にスマホに接した影響で、脳がおかしくなっていることにあるのではないでしょうか?
スマホに依存する仕組み
なぜ、スマホはこんなにも人々を惹きつけるのでしょうか?
それは、即座に報酬を得られるからです。ここでいう報酬とは「脳の快感」のことです。
人間の脳は「新しい情報」を欲しています。それが生存に関わる可能性があるからです。つまり新しい情報を得るのは快感です。
本や人の話よりも、スマホのほうが手軽に、かつ素早く大量の新しい情報を得ることができます。
だから常にスマホをチェックしたくなります。
また、人間は「他者から承認されたい」という欲求も持っています。
これを手軽に満たしてくれるのがSNSです。投稿したときイイネがつけば、認められたような気分になり快感を得られます。そのため頻繁にスマホを確認したくなります。
新しい情報を得たときも、SNSで反応してもらったときも、脳内ではドーパミンという神経伝達物質が分泌されます。これが快感をもたらすのです。
スマホで快感を得るとやがては、スマホを見ただけでも、ドーパミンが分泌されるようになります。なぜなら「そこに楽しいものがある」と脳が学習しているからです。
美味しい食べ物を見ただけで、気持ちよくなるのと同じです。
視界に入っただけで、気持ちよくなってしまうのですから、スマホに依存するのは当然の流れです。
すぐに報酬を得られないものを面倒に感じる
スマホに依存すると、すぐに報酬を得られないものを面倒に感じます。
勉強や仕事は、すぐに報酬を得られないので、やる気になれません。
そういったつまらないもののために、苦労したり嫌な思いをするのはバカバカしい、となってしまいます。
そのため、大変な仕事をしたがりませんし、上司から怒られると非常にコスパの悪いことをしている気分になりやすいのです。
そして「もう、やーめた!」となってしまうのです。
文字通り、頭がおかしくなっているのです。
なぜ今の新入社員だけおかしくなるのか?
スマホによって、頭がおかしくなるのは新入社員に限ったことではない、と思うかもしれません。
まさしくその通りです。新入社員でなくとも、スマホに依存している人の頭はおかしくなっています。
しかし、今の新入社員は、そのリスクが高いです。
iPhoneが日本で発売されたのは2008年で、その翌年にはAndroidが発売されました。ここから一気に右肩上がりにスマホが普及していきます。
つまり現時点で、18歳や22歳の新入社員は子供時代から、スマホがあったことになります。
人間の脳は本能部分(大脳辺縁系)と理性部分(前頭前野)に分けられます。
ムカつく人間がいたとき「殴ってしまえ」という本能部分が働いても、「ダメだよ」と理性部分がブレーキをかけるため、私たちは犯罪者にならずに済むのです。
この理性部分は、子供時代にはまだ発達途上です。
そのため、スマホで遊びまくろうという本能を理性で止めにくいのです。そのため子供はスマホに依存しやすいのです。
また、スマホを使うこと自体が脳の成長を妨げるという研究も数多く出ています。
つまり、20歳くらいまでの脳が発達する時期にスマホに触れまくると、理性的判断力を得ないまま、大人になってしまうのです。
そして大人になった後は、脳が発達しにくいため、手遅れになるリスクが高いということです。
社会人になった後も、注意されたときに逆ギレしたり、気分が乗らないと仕事をしないのには、このような要因も関係していると思われます。
現代は新入社員が自由すぎる行動を取りやすい環境
今の新入社員に限ったことではありませんが、現代は先輩や上司というだけで尊敬する人間は減りました。
なぜなら、インターネットによって、あらゆる情報が手に入るようになったからです。
それによって、上司は優秀なのではなく、単に情報を多く持っているだけ、ということがバレてしまいました。
新入社員からしたら、上司や先輩というのは「ただ先に入っただけの人」という認識なのです。
こういうと「言語化しにくい感覚的な部分は経験でしか身につかないし、それがある分、新入社員より優秀」という人もいます。
しかし、そんなことを言うとカリスマ社長でもない限りは、「実力のなさを曖昧な表現で誤魔化そうとしているだけ」と評価されてしまうのです。
つまり、現代は「臆することなく自分を主張しやすい空気」があらゆる場面に漂っているのです。
このような環境も、新入社員が自由すぎる行動を取りやすい一因といえます。
また、SNSによって一流の人間との距離感が近づいたことも、自分の能力を勘違いさせやすくする要因となるので、それが自信過剰な態度につながっている可能性もあります。
頭のおかしい新入社員をどう変えるか?
スマホによって、頭のおかしくなった新入社員を雇ってしまった場合に、どうすれば良いでしょうか?
それは、会社で運動やピクニックといったアクティブな取り組みをすることです。
それによって、スマホでおかしくなった頭を改善できることが、複数の研究で判明しています。
そういったものに参加しないから困っているんだ…というパターンもあるでしょうが。
月に何回以上ジムに通った場合には、費用を会社が負担する、などの制度を設けるのでも良いと思います。
どうしても改善しないのであれば、証拠を集めて辞めてもらうしかありません。
金八先生に怒られそうですが、1人のダメ人間が全体をダメにするという「腐ったミカンの方程式」は会社ではしっかり当てはまってしまいます。
余談ですが、SNSや動画よりはテレビゲームのほうが、脳に悪影響を及ぼしにくいらしいです。
それどころかゲームの種類によっては、脳内で物体を立体的に捉える部位の発達に寄与することさえあるそうです。
言われてみれば、東大生の中にもゲーマーがけっこういる気がします。
頭のおかしい新入社員を雇わない方法
頭のおかしい新入社員に悩んでいる経営者は、自分の会社を振り返ってみてください。
自社もそのレベルということはないでしょうか?
スマホが普及したからといって、すべての新入社員の頭がおかしいわけではありません。そのようなタイプはごく一部です。
優秀な層だけを見れば、若い世代ほどレベルが高いです。
しかし、こういった上位層は一流企業に行くか、起業してしまいます。
一流の会社には一流の人間が入ってきますし、三流の会社には三流の人間が入ってくるものなのです。
勘違いしないでほしいのは、一流と大手は違うということです。
大手上場企業でも社会に迷惑を掛けながら商売をしているような会社は、やはり頭のおかしい人間がいます。
仮に小さな会社であっても一流であれば、まともな人間が応募してくるので、頭のおかしい新入社員を雇ってしまうリスクは減らせます。
一流の人材が欲しければ、一流の会社になりましょう。
そして、会社は社長の人格を映す鏡である、ということも忘れてはいけません。